【実録キッチンカー最前線】あなたはどっちで開業?今後のキッチンカー参入は2通り。最新のキッチンカー事情を理解する

「キッチンカー」と言うワードはここ数年で一気に認知が広がりました。それに伴い興味を持つ人も多くなり参入希望者も続々。直近では「モスバーガー」のキッチンカー参入も話題になりました。大手飲食事業者の参入も含めキッチンカー事業は現在多様化し始め、従来のキッチンカー業界の常識は少しずつ変わりつつあります。それにより参入を検討する場合も「大きく2通り」に分かれる形があり、本項ではその形を解説します。

過去、そして今現在「従来型のキッチンカー」

従来キッチンカーにおいて一般的なキッチンカーのイメージと現実的なキッチンカー動きには大きな乖離があります。一般感覚でキッチンカーは「たこ焼き屋さん」「お好み焼き屋さん」「焼き鳥屋さん」そんなイメージを持たれる方が多くいらっしゃいます。しかしそういったキッチンカーは全体の1割にも満たない数なのが現実。ではキッチンカーと言うのは従来、そして今、どんな動きをしているのかを把握しましょう。

【平日のキッチンカー】

平日のキッチンカーと言えば「オフィス街」を中心とした「ランチライム営業」です。取り扱う商品は「たこ焼き」や「お好み焼き」と言った屋台メニューは無く基本的にはその店独自の「ランチパック」の販売が主流となります。

内容は「和洋中」様々で一般的には馴染みの薄い国のメニューなども見られる。運営も店によりそれぞれの戦略を持った特徴が出ており「付け合わせ無料」「大盛無料」等味はもちろん様々なサービスも人気を引き寄せる要因です。

全国的な有名店は存在しない物の出店界隈の範囲ではファン(常連客)がついている事も多いです。

営業時間は11:00~14:00程度(出店場所の特性により異なる)の3時間程度のみの営業時間が主流で商品単価は700円~900円程度と1000円以内の設定が主となります。

【土日祝日のキッチンカー】

平日の主体である「オフィス街」も土日祝日は閑散とした状態です。土日祝日に人が集まるのは行楽地やイベント会場。土日祝日のキッチンカーは主にそういった場所での出店に切り替わります。

▼主な土日祝日の出店場所

・各種イベント会場

・高速道路サービスエリア

・公園

・ショッピングモール

etc・・・

メニューも平日の営業とは少し異なる事も多く、キッチンカーによっては「土日祝日専用業態」を用意している店舗も多数あります。とにかく「人が集まるところに店を出せる」のはキッチンカーの最大の強み。土日祝日のイベントなどへの出店はキッチンカーにとって欠かせない収入源となります。

現在のキッチンカー業界の問題点と課題

現状のキッチンカー「今キッチンカーが流行っている」等各種メディアで盛り上げられている中、問題や課題も多く、今後キッチンカー業界が更に盛り上がる為には現状維持では難しい状況です。そしてキッチンカーが認知されている今その状況は変わりつつある方向に向かおうとしているのもまた事実です。これは今後キッチンカーに参入予定の方にはしっかりと理解してほしい重要な事です。

【現在のキッチンカーの活躍の場とは】

現在のキッチンカーの活躍の立場としては「臨時店舗」としてが主となります。「臨時店舗」とはどのような考え方か?

例えば、日常的に1万人程度の方が生活する町では当然それに見合った規模、数のコンビニエンスストア、スーパー、飲食店しかありません。しかしこの町で大規模な花火大会などを行った際に10万人の人が一気に押し寄せてきたらどうなるでしょうか?普段は1万人の生活を支えれば良い施設も突然10万人もの人が来たらその対応が全く追いつかなりパニックを引き起こしてしまう訳です。

当然年に1度のイベントの為に日ごろからお店を増やしておくなんて言う事は不可能で、そこで活躍するのが「臨時店舗」です。花火大会などでは一般的に「屋台」と呼ばれる「たこ焼き屋さん、焼きそば屋さん、お好み焼き屋さん」が並ぶのは皆がご存じの通り。突然来た10万人の人を臨時店舗を設置する事でその混雑を分散させパニックを回避できる訳です。

キッチンカーの活躍の場も同様。イベント現場は上記と同じ考え方、ランチ現場においても同様。例えばその付近で5万人のオフィスワーカーの人が居る地域ではその5万人のほとんどはその近辺で昼食をとりますが、そのほとんどは夕食は自宅又は自宅付近で取るでしょう。

そして飲食店はランチタイムだけの為に店を増やすことは出来ない。そこで活躍するのが「臨時店舗」としてのキッチンカーとなります。

【業界の問題点と課題】

そんなキッチンカーだからこその問題点も多くあります。現状の「臨時店舗」の考え方はキッチンカーの運営者もその意識が強く、キッチンカー店主の話題は「あそこの場所は売れる」「あそこの場所は売れない」「あのイベントは売れる」「あのイベントは売れない」と言った内容が多くなっています。つまり現状キッチンカーを運営している側も「場所依存」が強く「店舗としての力より場所により利」を意識しそれに頼ってしまっている状況です。

そのような意識から生まれているキッチンカーの問題点が「キッチンカー有名店の不在」が上げられます。

恐らくこの記事を読んでいる方は一般の方と比較し「特にキッチンカーに興味を持っている人」だと思います。そんな方でもどうでしょうか?

「キッチンカーの有名店はご存じですか?」

こんな質問が飛んできた場合即答出来るでしょうか?

極めて100%の近い方が「ん~そう言えば、、、知らない」と初めてこの事実に気付くはずです。

それは当然の事です。キッチンカーの有名店なんて「存在しない」んですから。

しかし今後キッチンカー発展の大きなカギは「キッチンカーの有名店が生まれるか否か?」に他なりません。

「どの場所だから売れる」「どの場所だから売れない」そんな場所依存の商売では無く、キッチンカーもまた「そのお店を目的にお客様が足を運ぶ現象」が不可欠になります。

【新たなキッチンカーの形】

従来の「臨時店舗型」のキッチンカーが一部地域で根付いている中、キッチンカーと言う言葉が認知される事でいよいよ全国区に広がってきています。そんな中、従来のキッチンカーの形は前述の通り「特に都市型に偏って需要」が強い物でした。しかしそれが全国的に広がる中でその形も新たな物が生まれ始めています。

それが「有名店を目指すキッチンカー」です。現在はインターネット、SNS等の利用で個人の投稿が時に大規模プロモーションの様な効果を発揮する時代。そしてキッチンカーに限らず、1年前は全く無名だった人が1年後に超有名人にまで成る社会になっています。つまり莫大な資金力やコネ等無くても個人が「有名店を作れる可能性」と言うのは飛躍的に大きくなってきてる訳です。

今、様々な業界で様々な方がその形を模索しチャレンジしている中で「キッチンカー」もまたそのコンテンツの一つとして大いに注目され多くのチャレンジャーが出てきています。

これは従来の「場所依存」からの脱却に向けてキッチンカー業界の大きな一方だと考えて間違えありません。

あなたはどっち?「従来型と近未来型のキッチンカー」

現在はキッチンカー参入の形は2通りあると考えてください。そして自身はどちらの方向に進むのか?で動き方は全く異なります。この事をしっかり理解していないと、キッチンカーの参入は出足から躓いてしまうでしょう。

【従来型のキッチンカー参入】

・動き方:平日はランチ、土日祝日はイベント会場

・メニュー開発:平日はランチメニュー、土日祝日はイベントメニューを意識して開発

・開業初期に行う事:とにかくまずは「ランチ場所」を「月~金」で埋める事から注力

・日常的に行う事:イベント情報を日常的に欠かさずチェック

【近未来型の近未来型キッチンカー】

・動き方:店舗軒先、公園等長時間定期的に出店出来る場所

・メニュー:独自のメニュー開発。メニューの内容だけでは無くその包装等も独自性を意識して開発

・開業初期に行う事:SNSページやホームページ等を準備、場所探しはターゲット層と関連付けて模索

・日常的に行う事:SNS等を使った広告戦略を模索

まとめ

現在はキッチンカー業界にとって変革期。5年前は不正解だったキッチンカーの参入も今はそれが不正解とは言えない状況に変化してきました。それに伴ってキッチンカーの参入の形も大きく2つに分かれます。

開業の方向性と必要な動きはその形によって全く異なる物です。「自分はどっちの開業にするからどう動かなくては行けないのか?」これをしっかりと整理出来るか否かがキッチンカー成功の大きなカギとなります。

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