安全第一!キッチンカーに設置する消火器の選び方や使い方について学ぼう!

キッチンカーを開業するなら、メニューの魅力や立地選びと同じくらい「安全対策」も大切にしなければなりません。

特に火を使う設備がある場合、火災のリスクを想定して「消火器」をしっかり備えておくことが求められます。

平成25年8月、京都市福知山市の花火大会の露店から起きた火災による事故以後、

多数の人が集まるイベントで、発電機やコンロ等の火気器具を使用する場合には、1店舗ごとに1本以上の消火器の準備をするよう条例で定められています。

しかし、消火器にはさまざまな種類があり、どれを選べばよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。

また、ただ設置するだけでは不十分で、使い方や設置場所、処分方法、届出の有無まで把握しておく必要があります。

この記事では、キッチンカーに最適な消火器の選び方から、いざというときの使い方、期限切れ後の処分方法、さらには消防への届出についてまで、わかりやすく解説します。

これから開業を考えている方が、安全に営業を始めるための知識をしっかり身につけられる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

今回は、キッチンカーに設置する消火器について解説していきます。

キッチンカーに設置する消火器選びのポイント

消火器はホームセンターやネット通販等で購入が可能ですが、どのようなものを選べば良いのでしょうか?

火を使うキッチンカーでは、消火器の設置は義務でもあり安心にもつながります。

だからこそ、キッチンカーの設備やメニューに合わせた正しい選び方が大切です。

特に注目したいのが「対応する火災の種類」と「安全基準に合格しているか」という点です。

また、家庭用ではなく、しっかりとした業務用のものを選ぶことも重要です。

ここでは、キッチンカーに設置する消火器選びの3つの具体的な選定ポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【ABC消火器を選ぶ】

火災は、消防法によって3種類に分類されています。

・A火災:木材、紙、衣類などが燃える火災

・B火災:石油やガソリン(加熱性液体)、油脂類などが燃える火災

・C火災:電気設備、電気器具など感電の恐れのある電気施設を含む火災

キッチンカーで使用する消火器を選ぶ際は、この3種類の火災全てに対応した消火器を選びましょう。

ABC消火器とは、「普通火災」「油火災」「電気火災」の3つに対応しているタイプのことを指します。

キッチンカーでは、フライヤーやコンロを使うため油火災のリスクが高くなります。

また、電源機器や照明などの電気設備も多く、電気火災の可能性も考慮しなければなりません。

これらすべてに対応しているのがABC消火器です。

万が一火災が発生した際に、種類を問わず対応できるのは大きな安心材料になります。

【業務用消火器を選ぶ】

キッチンカーで大規模なイベントに出る際など、業務用消火器の設置が求められることがあります。

日常的な営業時にももちろん使用できるので、家庭用ではなく業務用消火器を選びましょう。

使用しやすいとされているのは『蓄圧式粉末消火器』の10型(薬剤量3kg)です。

放射時間は13秒から15秒、消化能力や持ちやすさを考慮するとちょうどよいサイズです。

開業時には多少の費用がかかっても、安全を確保するための必要な投資として考えてください。

【国家検定合格証のある消火器を選ぶ】

日本消防検定協会では、消火器等の消防機会器具等について、公的な検査機関で厳しい試験・検査を行っています。

キッチンカーに設置するなら、必ず品質が確保されている『国家検定合格証』のマークがある消火器を購入しましょう。

国家検定に合格しているということは、国の安全基準に適合している証拠であり、信頼性が高いことを意味します。

これにより、いざというときに適切に作動し、しっかりと火を消すことができます。

見た目や価格に惑わされず、必ず製品本体にある検定ラベルや検査証を確認しましょう。

キッチンカーの安全を守るために、基準を満たした正しい製品を備えるようにしてください。

消火器の正しい使い方

火災が発生すると「早く消さなければ!」という思いから焦ってしまい、いつもならできることでも手間取ってしまいがちです。

まず、火災が発生した場合には大声で火災の発生を知らせ、119番への通報をしましょう。

初期消火はそのあとに行います。

消火器での初期消火の対応は、『火が天井に燃え移るまで』とされています。

それ以上の場合は、消火器での対応はできないと考えましょう。

キッチンカーでは、火の近くで調理する場面が多く、素早い初期対応が求められます。

そのため、設置するだけで満足せず、使い方を体で覚えておくことが重要です。

どれも難しい操作ではありませんが、焦っているときに確実に動けるよう、事前に確認しておきましょう。

以下は初期消火の手順です。

【手順1:燃えているものから3~5m程度離れる】

初期消火では、万が一消化できなかった場合に備えて、すぐに逃げられるようにして使用することが前提です。

火災が起きたら、まず消火器を持って炎から少し距離をとることが大切です。

適切な距離はおおよそ3〜5メートルほどとされています。

火に近づきすぎると、やけどをする恐れがあるため、離れて安全を確保してください。

また、風がある場所では、風上に立つことで煙や火の粉を避けやすくなります。

火災時はパニックに陥りやすいため、日ごろからどの位置に立つべきかをイメージしておくと安心です。

【手順2:消火器の黄色い安全栓(安全ピン)を引き抜く】

次に行うのが、安全ピンを抜く操作です。

消火器には誤作動を防ぐため、黄色い安全栓が差し込まれています。

これを引き抜かないとレバーを握っても消火剤が出ません。

安全ピンは上方向に向かって強く引き抜きましょう。

必ず落ち着いて、片手でしっかり本体を支えながら抜くようにしてください。

なお、この作業は時間との勝負でもあるため、日常から動作を確認しておくと安心です。

実際の消火訓練などに参加しておくと、よりスムーズな操作ができるようになります。

安全ピンは消火のスタートスイッチです。的確に行動できるよう準備しておきましょう。

【手順3:ホースを外して、先端を火に向ける】

安全ピンを外した後は、消火器に付いているホースを取り出します。

ホースの先端が折れ曲がっていたり、本体に固定されたままだったりすると、正確に狙いを定めることができません。

必ずホースをしっかりと持ち、火元に向けて構えるようにしましょう。

狙う場所は「炎の上」ではなく「燃えている物の根元」です。

の炎ばかりに向けてしまうと、火元の温度が下がらず、すぐに再燃してしまう危険があります。

ホースを手で持つときは、できるだけ安定した姿勢をとってください。

片手でホース、もう片方で本体を支えることで、しっかり狙いを定められます。

【手順4:狙いを定めてレバーを強く握る】

ホースの先を火元に向けたら、次はいよいよ消火剤を噴射します。

先端のノズルをしっかり握り、消火剤噴射の圧力でホースが振られないようレバーをしっかりと強く握ってください。

女性など力が弱くてレバーが握れない人は、容器を下に置いて、レバーの上から体重をかけるようにして押しましょう。

手前からほうきで履くように放射すると、効果的に消火できます。

途中で力を緩めてしまうと、消火剤の噴射が弱くなり、効果的に火を消すことができません。

力を込めて握り続けることがポイントです。

また、ホースの向きが変わらないように注意して、最後までしっかり噴射を続けましょう。

【手順5:火が消えたと思っても、消火剤全て使い切る】

火が見えなくなったからといって、すぐに消火器の操作を止めるのは危険です。

炎が消えたように見えても、内部にはまだ火種が残っている可能性があります。

そのため、火が見えなくなったあとも、消火剤は最後までしっかり使い切るようにしてください。

消火器は途中で止めても再使用はできません。

ならば、確実に火を消すためにも、使える分をすべて放出することが大切です。

また、消火後も火元には近づかず、熱が完全に冷めるまで注意が必要です。

キッチンカーでは、油や電気が原因の火災が多いため、再燃のリスクも高くなります。

油断せず、最後まで徹底して対応しましょう。

また、速やかに消防に連絡し、指示を仰ぐことも忘れないようにしてください。

使用期限が切れた消火器の処分方法

消火器は一度設置すれば終わりではありません。

使用していなくても、年月の経過によって劣化するため、定期的な点検と交換が必要です。

特に使用期限を過ぎた消火器は、内部の圧力が不安定になることがあり、安全に使えない可能性があります。

業務用消火器の設計標準使用期限は約10年とされています。

万が一のときに確実に使えるようにするためには、期限切れの消火器を正しく処分することもキッチンカー運営者の大切な責任です。

ここでは、期限が切れた消火器をどのように処分すればよいのか、3つの方法を紹介します。

開業前でも、準備段階からこの知識を持っておくと安心です。

【引き取りを依頼する】

もっとも一般的で手軽な処分方法が、特定窓口に引き取りを依頼する方法です。

消火器を扱っている販売店や防災用品の業者では、使用済みや期限切れの消火器の回収サービスを行っている場合が多くあります。

『消火器の販売代理店』や『防災・防犯事業者』が担う特定窓口が全国に約5,000ヶ所あります。

自治体のルールでは家庭ゴミとして処分できないため、信頼できる業者にまかせるのが安心です。

【直接持ち込む】

消火器を自分で回収窓口に持ち込む方法もあります。

『消火器メーカー営業所』や『廃棄物処理業者』が担う指定引取場所が全国に約200ヶ所あります。

特定窓口、または指定取引場所に持ち込み処分してもらいましょう。

持ち込み前には、必ず事前に連絡を入れて、受付の可否や費用の確認を行ってください。

自家用車に載せて運ぶ際は、転倒や衝撃による破損を防ぐために、しっかりと固定して運搬するよう注意が必要です。

【リサイクルする】

期限切れの消火器も、正しい手続きを行えばリサイクル資源として再利用することが可能です。

環境への配慮も考えると、リサイクルは非常に意義ある選択です。

処分の際には、消火器本体に記載された「リサイクルシール」の有無を確認してください。

シールがある場合はリサイクル費用がすでに含まれており、持ち込みや引き取りがスムーズに行えます。

ない場合には、リサイクルシステム取扱い窓口等でシールを購入して貼り付けてください。

消防への届出が必要なケースもある

キッチンカーを営業する際には、ただ消火器を設置するだけでなく、消防署への届出が必要になるケースもあります。

とくにイベントや祭りなどで出店する場合には、事前に届け出をしておかなければならないことが多くなります。

届出を怠ると、営業停止や罰則を受ける可能性もあるため注意が必要です。

多くの場合では、イベント主催者側などが届出を出していますが、安全に関する知識として届出が必要な場面を知っておきましょう。

以下では、露店等の開設届と、注意すべきポイントを紹介していきます。

【露店等の開設届とは】

イベントやお祭り、商業施設の広場などにキッチンカーを出店する際、消防署に「露店等の開設届」を提出しなければならないことがあります。

平成25年8月に京都福知山市で開催された花火大会にて発生した火災により、多数の死傷者が発生したことを受けて、催しの開催時における露店等の安全確保に関する事項が加わりました。

この届出は、不特定多数の人が集まる催しにおいて火を使う露店を開設する場合に、所轄の消防所長への提出が必要となることが多く、コンロやフライヤー、グリドルなどを設置しているキッチンカーはほぼ該当します。

例として、幼稚園や小学校で開催されるイベントなど、来場者が不特定でない場合には届出は必要ありません。

ただし、地域の人も多く訪れ、来場者が不特定にある場合には、届出が必要となるケースもあります。

届出を行うことで、消火器の設置状況や避難経路などを確認してもらえるほか、安全対策が不十分だと判断された場合には、改善指導を受けることもあります。

提出期限は自治体により異なるところもありますが、催しの開催5日~14日前までとなっていることが多く、スケジュールに余裕を持って対応することが重要です。

書類を提出する際には、消火器の種類や設置場所も記載する必要があるため、事前に確認しておきましょう。

【自治体ごとに届出書類の形式が異なる】

届出書類の内容は、自治体によって多少異なります。

ある市では出店内容確認票の提出が必要でも、別の市では不要というケースもあります。

届出に必要な添付資料もまちまちで、火器使用の図面や車両の写真、消火器の仕様書が求められる場合もあります。

各地に出店する予定がある方は、事前に自治体のホームページや消防署に問い合わせて確認しておくと安心です。

まとめ

今回は、キッチンカーに設置する消火器について解説しました。

キッチンカーを開業する際には、メニューの準備や営業許可の取得だけでなく、安全対策にも目を向けることがとても大切です。

特に火を扱うキッチンカーでは、万が一に備えて消火器の設置が欠かせません。

対応する火災の種類に合ったABC消火器を選び、業務用かつ国家検定に合格したものを準備することで、安全性を高めることができます。

また、消火器は使い方を事前に理解しておくことも重要で、正しい手順を覚えておくことで緊急時にも落ち着いて対応できます。

期限切れの消火器は放置せず、正しく処分し、常に新しい状態を保つようにしましょう。

さらに、出店場所やイベントによっては消防への届出が必要になることもあるため、自治体ごとのルールも確認しておくと安心です。

キッチンカーに適した消火器を設置し、正しい使用方法を確認しておきましょう。

安全対策をしっかりと行い、安心してキッチンカー営業をスタートさせてください。

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