キッチンカー内では、調理作業するスペースに限りがあります。

提供するメニューによっては、大きめの調理機材を設置する方も多いでしょう。

また、冬のキッチンカー内は意外と寒く、ジャンパーなどを厚着して寒さ対策する方が多く『着衣着火』の危険が高まります。

今回は、キッチンカーの着衣着火対策について解説していきます。

キッチンカーでも起きる！『着衣着火』とは？

『着衣着火』とは、火が着衣について燃え上がる現象のことをいいます。

調理中にコンロの火がついてしまうケースが多く、キッチンカーでも注意が必要です。

着ている服の素材によっては一気に燃え広がることや、腹部から燃え出すと重度のやけどや死亡に至る事故にも繋がります。

キッチンカーで着衣着火を防ぐ方法

キッチンカー内は、調理機材や冷蔵庫などを設置しています。

振り返ればすぐに物を取れる点など、少人数で作業しやすいキッチンカーですが、着衣着火を防ぐ観点からすると注意が必要です。

安全にキッチンカー内で調理するために、着衣着火を防ぐ方法を解説します。

【アームカバーをする】

冬のキッチンカー営業はとても寒く、様々な方法で防寒対策をしているかと思います。

しかし、ストーブをつけても上半身は寒いので厚着をしている方も多いのではないでしょうか。

着衣着火では、袖口から火がつくことが多いため、アームカバーを装着するのが有効な方法です。

燃えにくい防炎素材のアームカバーを着用しましょう。

【着火しにくい素材の服を着る】

着衣着火は袖口からだけではありません。

何か物を取ろうとしたとき、後ろを振り返ったときなどには、お腹や背中部分から火がつくことも。

対策として、燃えにくい素材や防炎素材のエプロンを着用するのがおすすめです。

【コンロの奥に物を置かない】

使いやすいから、とコンロの奥に調味料やお玉などを置いてはいませんか？

コンロの奥にあるものを取ろうとすると、洋服がコンロの火に近付きます。

きちんと調理着やエプロンをつけていても、着火の危険があります。

コンロの奥には物を置かないようにしましょう。

キッチンカー内で着衣着火してしまったときの対処法

気を付けて作業していても、事故や火災は思いがけず起こるものです。

もしもの時のために、キッチンカー内で着衣着火してしまったときの対処法をご紹介します。

【水をかける】

キッチンカー内で水を用意している場合には、水をかけて消しましょう。

慌てて手で叩いたり、服を振ったりしても火は消えません。

【止まる・倒れる・転がる】

水が近くにない場合は「止まる・倒れる・転がる」と覚えておきましょう。

・止まる

火がついた状態では慌ててしまいますが、走ると火の勢いが大きくなります。

キッチンカーの場合は、周囲の機材などに引火すると大きな火災に繋がりかねないので、キッチンカーから離れておきましょう。

・倒れる

地面に倒れこみ、燃えているところを地面に押し付けるように体と地面をくっつけましょう。

・転がる

地面にゴロゴロと転がることで、服についている火が地面と接触するので広い範囲を消火できます。

転がるときは、顔への火傷を防ぐために両手で顔を覆いましょう。

【軽度の火傷は流水で冷やす】

軽度の火傷は、水道の流水で冷やしましょう。

キッチンカーの営業のために氷や保冷剤を持っている場合でも、患部に直接当ててはいけません。

清潔なタオルなどに包んでから、患部に当てましょう。

重度の火傷は、早急に救急車を呼ぶようにしてください。

キッチンカーに常備しておきたい消火設備

着衣着火に限らず、調理でガスなどを使うことからもキッチンカーでは常に火の扱いには気を付ける必要があります。

キッチンカー内の火のトラブルにも慌てず対処できるように、キッチンカーに常備しておきたい消火設備について、確認しておきましょう。

【消火器】

多数の人が集まるイベントで発電機やコンロ等を使用する場合には、キッチンカーでも1店舗1本以上の消火器を準備するよう定められています。

消火器は設置しているけど実際に使ったことがなく、いざという時に使えるか不安という方もいるのではないでしょうか。

以下の記事では、キッチンカーに設置する消火器の選び方や正しい使い方について詳しく書かれているので、参考にご覧ください。

安全第一！キッチンカーに設置する消火器の選び方や使い方について学ぼう！

【消火スプレー】

こちらは、キッチンカーに設置する消火器のように業務用ではなく、家庭用のものです。

もちろん火災時にはキッチンカー内に設置している業務用消火器を使用するのが一番です。

しかし、小さくてすぐに手の届く場所に置ける消火スプレーもあると、より安心です。

まとめ

今回は、キッチンカーの着衣着火対策について解説しました。

調理時に置きやすい着衣着火は、防炎素材のアームカバーやエプロンを身につけることで防ぐことができます。

また、もし着衣着火が起きてしまった場合は、すぐに水をかけて消火しましょう。

水が近くにない場合の対処法も、頭に入れておくと安心です。

限られたスペースで火を取り扱うキッチンカーでは、常に安全に配慮しましょう。

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