キッチンカーのゴミ処理、家庭ゴミとして捨てると罰則も!?正しい処理方法について徹底解説!

近年、開業者が増加し、街中でもよく見かけるようになったキッチンカー。

営業したい場所を自分で選んで出店できるキッチンカーの魅力を知り、開業を検討中の方も多いのではないでしょうか。

しかし、華やかに見えるキッチンカー営業の裏では、ゴミ処理という大切な作業が待っています。

キッチンカー営業で出るゴミは、一般家庭で出る家庭ゴミとして処分することはできません。

環境に配慮し、法令を遵守するキッチンカー経営を実現するために、ゴミ処理のノウハウを紐解いていきましょう。

今回は、キッチンカーのゴミ処理について徹底解説していきます。

キッチンカーの営業で出るゴミは何ゴミ?

まずは、キッチンカーの営業で出るゴミは何ゴミなのかについて、理解していきましょう。

【家庭ゴミではなく事業ゴミ】

キッチンカーの営業で出たゴミは、事業活動によって発生しているので『事業系ゴミ』に分類されます。

住民の生活環境を保護する目的で、排出事業者に産業廃棄物の処理責任を科すことが法律で定められました。

一般的に日常生活して出る家庭ゴミとは異なるため、分別も処理方法も異なると理解しておきましょう。

例として、家庭ゴミでは「もえるゴミ」「もえないゴミ」などと分類していきますが、事業系ゴミでは「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分類します。

詳細な分別については、各自治体や法律の確認をしましょう。

【事業系ゴミを家庭ゴミとして捨てると罰則がある】

事業系ゴミを家庭ゴミの集積場に捨てた場合には、不法投棄となります。

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第25条」により、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(※1)が定められています。

※1:併科される場合もあり

事業系ゴミの処理は家庭ゴミとは異なり、手続きや問い合わせすることも多く面倒に思いがちですが、このことをしっかりと理解し、正しい手続きのもと事業系ゴミを処理しましょう。

キッチンカーで出るゴミの処理方法

キッチンカーが営業すれば、必ず食品ゴミがでます。

食品ゴミとは、調理作業の工程で出る食用にできない部分や売れ残り等のことを指します。

また、食品のパッケージ部分なども廃棄物として出てくるでしょう。

キッチンカー営業する上で避けられない、ゴミを処理する方法について、詳しく解説していきます。

【ゴミ集積場で捨てる】

一部の自治体では、事業系一般廃棄物が少量である場合に限り、家庭ゴミと同じ集積所に出せる少量排出事業者向けの制度があります。

市区町村へ事前登録が必要にはなりますが、ゴミ処理に手間や時間をかけたくない場合にはとても有効な手段といえるでしょう。

もちろん、集積場に捨てる際は集積場のルールに則りゴミを出すよう心がけてください。

こちらでは例として、東京都杉並区の収集に事業ゴミを出す手順をご紹介します。

[ゴミ・資源の量を確認する]

1回に出すゴミの量が45ℓの袋で3袋以内であれば、家庭ゴミの収集と同じ日にゴミが出せます。

45ℓの袋で3袋以上の場合には、廃棄物収集運搬許可業者へ依頼しましょう。

[容量に応じたごみ処理券を購入する]

出すゴミの容量に応じたごみ処理券を購入しましょう。

杉並区では、区役所や杉並清掃事務所だけでなく、区内のコンビニエンスストアや商店でも販売されています。

[事業ゴミを入れた袋にごみ処理券を貼る]

ゴミの分け方は、

・可燃ゴミ

・不燃ゴミ

・資源

と、家庭ゴミと同様の分別です。

ゴミの種類ごとに別々の袋に入れ、ごみ処理券を貼りましょう。

事業者名の欄に事業者名を記載し忘れないように注意してください。

[収集日にゴミを出す]

はじめてゴミを出す場合は、管轄の清掃事務所に連絡を入れましょう。

自宅と事業所が同じ住所の場合には、事業系ゴミと家庭ゴミはそれぞれ別の袋で出してください。

【回収業者に依頼する】

産業廃棄物の中には、簡単に処理できないものや、自分で運べないものも存在します。

自治体から「一般廃棄物収集運搬許可」を受けている業者に回収を依頼しましょう。

多くの場合では、自治体のホームページ等に許可を受けている業者の一覧を掲載しています。

不明な場合には、自治体の担当部署まで問い合わせてください。

【処理場・焼却場に持ち込む】

事業系一般廃棄物の管轄は市区町村、産業廃棄物の管轄は都道府県です。

ゴミを持ち込んで処理してもらう場合には、管轄のルールに従いましょう。

産業廃棄物の処理は業者に委託するのが主流ですが、個人事業主として届出がされている場合は処理施設への持ち込みが許可されています。

自己搬入なら、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要ですが、産業廃棄物に関する情報を記載した文書を作成し、その文書を必ず廃棄物と一緒に携帯しなければなりません。

また、

・車両表示

・マニフェストの携帯

・収集・運搬基準の確認

といったルールを守って持ちこむ必要があるため、事前によく確認しましょう。

事業系ゴミを処理するときは必ずチェックしたい!3つの注意点

キッチンカーの営業で出るゴミは事業系ゴミに分類され、そのまま家庭ゴミとして捨ててはいけないところまではご理解いただけたかと思います。

しかし、事業系ゴミを処理するときは具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょうか?

ここでは、わかりやすく3つの注意点をご紹介します。

【事業系一般廃棄物の品目を確認する】

事業系ゴミは、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2つに分けられます。

キッチンカーの日常的な営業で出るゴミは、多数が事業系一般廃棄物に分類されると考えられます。

キッチンカーが出店する中で出ると思われる事業系一般廃棄物は、以下のものです。

・可燃ゴミ:生ゴミ(調理後の野菜・残飯等)、紙くず等 産業廃棄物以外のもの

・粗大ゴミ:通常の収集で回収できない大型で木製のもの(金属製・プラスチックは産業廃棄物)

生ゴミなどは家庭ゴミと変わらないと思われる方もいるかと思いますが、事業活動で出るゴミは事業ゴミに分類されるため事業系ゴミとして処理しましょう。

【集積場に捨てる際は自治体へ手続きをする】

基本的に、事業系ゴミは廃棄物処理業者に処理を委託することとなります。

しかし、自治体によっては小規模事業者で事業ゴミの排出量が少ない場合に限って、自治体の収集を利用できることがあります。

利用時は必ず、事前に自治体によく確認し、手続きをしましょう。

【判断に迷うときには自治体へ問い合わせをする】

事業ゴミについて、特に収集を利用したい場合などは自治体ごとに決まりや対応が大きく異なることがあります。

わからないから、面倒だから、と家庭ゴミとして事業ゴミを処理するのはやめましょう。

判断に迷ったときには、事業所がある自治体の担当部署まで問い合わせをしてみてください。

まとめ

今回は、キッチンカーのゴミ処理について徹底解説しました。

キッチンカーの営業中に発生するゴミは、事業系ゴミとして適切に処理する必要があります。

家庭ゴミとして捨てると罰則の対象となり得るため、正しい手続きを踏んで処理しましょう。

自治体が設けている少量事業ゴミの収集制度を利用するか、廃棄物処理業者に委託することが一般的です。

また、産業廃棄物は専門の業者による処理が必要です。

分別や持ち込みに関する詳細は自治体のルールに従い、不明点があれば自治体に問い合わせてください。

環境を守り、法令を遵守する責任ある経営を心がけることが、持続可能なキッチンカー事業には不可欠です。

お客様においしいメニューを提供するだけでなく、街の美観と環境を保つ努力も忘れずに。

正しいゴミ処理を身につけて、キッチンカーとして良き地域コミュニティの一員となりましょう。

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