キッチンカー開業をお考えの方にとって、どんな車両を選ぶかは最初に抱く悩みかもしれません。

どの大きさのキッチンカーを選ぶかで、搭載できる設備や調理機材の種類が変わってきます。

「いつも駅前で見かけるキッチンカーは軽バンだから軽バンにしようかな？」

と気軽に考えて購入に踏み切るのはおすすめできません！

キッチンカー開業を計画していく中で、

・自分が開業するキッチンカーで提供したいメニューの種類や数

・出店したい場所

などをよく考慮してから、キッチンカーのサイズを決めましょう！

今回は、キッチンカーのサイズについて、徹底的に解説していきます。

キッチンカーの車両サイズを知ろう！

キッチンカーを選ぶ上で、車両のサイズは非常に重要です。

車両のサイズは運転のしやすさやメニューの多様性、出店場所の選択肢に大きく影響します。

ここでは、異なるサイズのキッチンカーとその特徴について詳しく見ていきましょう。

【1番小さく、運転しやすい軽バン】

軽バンキッチンカーは、小さなサイズで、非常に運転がしやすい車両です。

狭い道や混雑した街中でもスムーズに移動できるため、出店場所の自由度が高まります。

コンパクトなサイズ感なので、限られたスペースでの営業に最適です。

[軽バンキッチンカーのサイズ]

軽バンキッチンカーの一般的なサイズは、

長さ：約3,395mm×幅：約1,475㎜×高さ：約1,835mm

となっています。

[軽バンキッチンカーのメリット・デメリット]

■メリット

軽バンキッチンカーの最大のメリットは、その取り回しの良さです。

狭い場所でもスムーズに運転できるため、市街地での活用に適しています。

日頃運転し慣れていない方には、キッチンカーの中で一番運転しやすいサイズの車両といえるでしょう。

また、小さいため、車両の維持費も比較的低く抑えられます。

■デメリット

車両サイズが小さいために搭載できる調理機材に制限があり、メニューの多様性が限られることがデメリットです。

また、営業中はキッチンカー内で座った体勢、又は中腰の体勢を取り続ける必要があります。

楽そうに感じるかもしれませんが、実際に長時間無理な体勢を続けると身体への負担が大きいと実感するかと思います。

調理作業も含めて、快適なスペースを確保したい方にはおすすめできません。

[軽バンキッチンカーの価格・相場]

軽バンキッチンカーの価格相場は、新車をオーダーメイドで製作するもので約130万円～とされています。

ベースに中古の車両をすることで、さらにコストを抑えることができます。

車内で調理作業を行なわず、開業初期のコストを抑えたい方には適したキッチンカーといえるでしょう。

【軽トラックベースの小型キッチンカー】

小型キッチンカーは、軽バンよりも若干大きく、多少の調理機材を搭載することができます。

調理機材の搭載スペースもそれなりに確保されており、運転のしやすさと作業のしやすさの両立が叶えられるサイズといえるでしょう。

初めてキッチンカーを開業される方には、おすすめのサイズです。

[小型キッチンカーのサイズ]

小型キッチンカーの一般的なサイズは

長さ：約3,500mm×幅：約1,500mm×幅：約2,500mm

となっています。

[小型キッチンカーのメリット・デメリット]

■メリット

小型サイズのキッチンカーで最大のメリットは、軽バンよりも多くの調理機材を搭載できること。

また、住宅街などの細い道での運転も比較的容易なのもメリットといえます。

オフィス街でのランチ営業を考えているなら、都市部の狭い駐車スペースでも停められる小型サイズのキッチンカーがおすすめです。

お弁当、スイーツやカフェメニューと幅広いメニューに対応できるので、出店場所の選択肢も狭めません。

■デメリット

デメリットは大きなイベントに向いていない点です。

車内のスペースを考慮すると、大型の業務用機材を積むことは出来ません。

また食材も大量には積めず、食数に限りがあることからも大規模な音楽フェスなどのイベントへの出店は難しいと理解しておきましょう。

[小型キッチンカーの価格・相場]

新車の小型キッチンカーを製作する場合は約250万円～400万円程度掛かります。

中古の小型キッチンカーの相場は約70万円～280万円と、大きく幅があります。

中古車には、車両の状態に問題があるケースも多い為(特に車両構造)、購入時には注意をしましょう。

車検がない状態では非常に安い価格で市場に出ていることもありますが、状態の良い中古の軽トラックベースのキッチンカーでは約200万円～と考えておきましょう。

【街中でもよく見かける中型キッチンカー】

中型キッチンカーは、小型のキッチンカーより広いスペースが使えます。

作業スペースの広さだけでなく、搭載できる調理機材の種類が増え、メニューの多様性も広がるでしょう。

[中型キッチンカーのサイズ]

中型キッチンカーの一般的なサイズは、

長さ：約4.300～5,200mm、幅：約1.800m、高さ：約2.500～3,000mm

となっています。

[中型キッチンカーのメリット・デメリット]

■メリット

中型サイズのキッチンカーで最大のメリットは、スペースの広さです。

給排水設備や冷蔵・冷凍・に加えて、大きめの業務用コンロまで設置可能です。

カレーやオムライスなど、ランチの定番メニューや唐揚げなどの揚げ物調理が可能になります。

大量の水を使用する麺類や複数のメニューを調理できるスペースがあるので、メニューの幅も広がるでしょう。

■デメリット

デメリットは、高さ制限のある狭小スペースでの出店が出来ないケースがあります。

また、小型キッチンカーと比較すると大きさがあることから、運転にはある程度の慣れが必要です。

高さだけでなく、狭い道での運転にも気を配る必要があります。

[中型キッチンカーの価格・相場]

中型キッチンカーの相場は約250万円～600万円とベースとなる車両の状態や施工内容に合わせて価格が決まるため、大きく幅があります。

車検の有無は価格にあまり影響せず、価格変動も少なめです。

宅配業者が使っていたトラックなどは出回る台数に限りがあるので、どうしてもその車種が欲しい場合は逃さないようにしましょう。

開業資金をできるだけ抑えて早く開業したい場合には中古のキッチンカーが適していますが、走行距離が10万km以上あるといった車も多く見受けられます。

販売状態を把握して後に大きな故障が見つかることなどがないように、よく注意しましょう。

キッチンカーの中古車購入時の重要チェック項目について、詳しくは以下の記事も参考にご覧ください。

キッチンカー中古車購入時の重要チェック項目

【イベント出店で存在感抜群の大型キッチンカー】

大型キッチンカーは、最も存在感があり、広い作業スペースを確保できます。

大規模なイベントやフェス、また長期の出店にも適しています。

[大型キッチンカーのサイズ]

大型キッチンカーの一般的なサイズは、

長さ：約6,000～6.500mm、幅：約2,000mm、高さ：約3,000～3.300mm

となっています。

[大型キッチンカーのメリット・デメリット]

■メリット

大型のキッチンカーで最大のメリットは、なんといっても本格的な設備を搭載できること。

イベントの出店にも向いており、多くの食材を持っていけるため在庫切れによる機会損失を防げます。

作業スペースに複数人が入り調理できるのも魅力の一つです。

大勢のスタッフで運営し、大きな売り上げを出したい！といった場合には、大型キッチンカーがピッタリです。

■デメリット

デメリットは、小型や中型に比べて購入費やメンテナンスにお金がかかる点が挙げられます。

また、出店場所に大きさの制限があり、出店が出来ないことがあります。

特に、地域のイベントなどでは出店スペースに制限があるケースが多く、出店場所の選択肢が狭まってしまうと理解しておきましょう。

[大型キッチンカーの価格・相場]

大型キッチンカーの価格相場は、中古で約250万円～500万円前後とされています。

また、新たにオーダーメイドで製作する場合でも、車両自体を新車で入手すると費用が高額になることから中古で製作するケースが多いです。

製作する場合の価格・相場は約400万円～800万円前後と幅があります。

中古車両をベースとするため、車両の状態にはよく注意して購入するのがおすすめです。

キッチンカーのサイズ選びで押さえておきたい3つのポイント

どの大きさのキッチンカーにも、メリット・デメリットは存在します。

キッチンカーの開業時には、それぞれの特徴を踏まえた上で、

「自分にとってベストな大きさのキッチンカーはどれなのか」

を考えて、キッチンカーを取得しましょう。

とはいえ、初めての開業では、どの点に着目して選べばいいかわからず、製作・購入後に後悔してしまうことも…。

ここでは、開業時にキッチンカーのサイズ選びで迷わぬように、押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

【作業スペースで選ぶ】

キッチンカーを選ぶ際、最も大切なのは作業スペースの広さです。

おいしいメニューを提供するためには、十分な調理スペースが必要ですよね。

しかし、スペースが広ければ広いほど良いかというと、そうではありません。

効率よく動けて、作業はスムーズにできる大きさは、作業人数や調理するメニューによって異なります。

自分が提供したいメニューを考えながら、適切なサイズを選びましょう。

【運転のしやすさで選ぶ】

集客しやすい場所へ移動して営業できる、キッチンカー。

その多くは、毎日運転して出店場所へ移動することとなるでしょう。

つまり、運転のしやすさも、キッチンカー選びの大切なポイントです。

特に、キッチンカーで頻繁に移動する場合、運転のしやすさはストレスを減らす重要な要素となります。

小回りの利く小型のキッチンカーは都市部での運転に向いています。

運転に自信のない方などは、特にこのポイントに着目して最適なサイズのキッチンカーを選びましょう。

【出店場所に合わせて選ぶ】

出店場所に合わせてキッチンカーを選ぶことも、とても重要です。

狭い路地や小さなイベントスペースでは、小型のキッチンカーが適しています。

一方、広い場所やイベント会場では、大型のキッチンカーが目立ち、より多くのお客様を引き付けることができるでしょう。

開業後に、どのような場所で、どんな営業をしていきたいのか、といった計画がサイズ選びに欠かせません。

出店予定の場所を想定して、サイズを選びましょう。

キッチンカーのサイズ別・搭載できる調理機材を知ろう！

キッチンカーのサイズによって、搭載できる調理機材の数や大きさに違いがあります。

自分が提供したいメニューに必要な調理機材を設置できるのか、とても重要なポイントですよね。

開業後に「使いたかった機材が置けない…」なんて後悔をすることのないよう、しっかり確認していきましょう。

ここでは、それぞれの大きさごとに搭載できる調理機材について解説します。

【軽バンキッチンカーに搭載できる調理機材】

軽バンタイプのキッチンカーは、そのコンパクトさから運転が容易で、狭い場所でも活躍できるのが魅力です。

小型のグリルやコンロ、小さな冷蔵庫などの基本的な調理機材を搭載することができます。

限られたスペースを最大限に活用しましょう。

【軽トラック型キッチンカーに搭載できる調理機材】

軽トラック型のキッチンカーは、軽バンよりも広いスペースを有しています。

複数口のグリルや冷蔵庫、組み合わせや大きさ次第ではオーブンやフライヤーも搭載可能です。

メインメニューに加えてサイドメニューやドリンクの提供も可能なサイズといえるでしょう。

【中型キッチンカーに搭載できる調理機材】

中型キッチンカーは、作業しやすい十分な調理スペースと大きめの調理機材の搭載が可能になります。

業務用のグリル、オーブン、ピザ窯といったスペースを必要とする機材を使えます。

搭載する機材の大きさや量によっては、複数人で作業するスペースも確保できるでしょう。

【大型キッチンカーに搭載できる調理機材】

大型キッチンカーは、十分なスペースを確保できます。

作業スペースを広々と確保できるほか、業務用で大型のグリル、オーブン、冷蔵庫まで搭載できるでしょう。

大規模なフェスやイベントでは作業人数も複数人になりますが、十分な作業スペースをとれるのが魅力です。

まとめ

今回は、キッチンカーのサイズについて、徹底的に解説しました。

キッチンカーのサイズ選びは、開業の成功に直結する重要な決断といえます。

しかし、開業前にはわからないことが多く、キッチンカーの取得後に後悔してしまう方も見受けられます。

キッチンカーのサイズ選びでは、提供したいメニュー、出店地域、予算、運転のしやすさなど、多くの要因を総合的に考慮しましょう。

また、キッチンカーの大きさによって搭載できる調理機材の種類や量も異なります。

解説した内容を参考に、自身のビジネスプランに最適なキッチンカーを選び、後悔のないキッチンカー開業をしてください。

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