開業資金の低さや、一つの場所に縛られず移動販売できることが魅力のキッチンカー。

しかし、経営がうまくいかずに一年以内に廃業してしまうキッチンカーが多いのが現実です。

せっかく思いきって起業するなら、失敗も後悔もできるだけ避けたいものです。

今回は、キッチンカー営業に関するリスクや失敗と、その対策について解説していきます。

キッチンカーの営業を脅かすリスク

時間や場所を自分で決めて営業できることが魅力のキッチンカーですが、営業を脅かすリスクも存在します。

【天候や季節により売上が変動する】

出店場所のほとんどが屋外のキッチンカーは、どうしても天候や季節によって売上が変動します。

あまりに暑い日や寒い日は、そもそもお客様が外出を控える傾向にあることが理由です。

また、近年では台風のみでなく災害級のゲリラ豪雨が続くこともあり、キッチンカーにとって天候不順は大きなリスクとなります。

■対策

天候・気温・場所ごとにまとめたデータを基に売上目標を立てましょう。

毎月同じ金額を目標にすると、達成できない月が出来てしまいます。

開業後すぐは予期せぬ機会損失にも耐えられるよう、資金を準備しておく心構えも大切です。

【車両が故障すると営業できない】

キッチンカーというと、調理作業する部分を一番に思い浮かべるかと思います。

しかし、とても重要なのが『車両』の部分です。

新車から製作して購入する場合を除き、ほとんどの場合が車両部分を中古のキッチンカーで開業される方が多いかと思います。

故障してしまうとその間出店はできないため、収入も無くなってしまいます。

■対策

中古車両はこまめなメンテナンスが必要となります。

オイル交換やバッテリー交換は定期的に行いましょう。走行距離にも注意し、約10万kmを超えたらタイミングベルト交換が必要になります。

法定点検や車検のタイミングだけでなく、車両の様子をこまめに点検してメンテナンスを行いましょう。

【原材料の高騰によるコスト増】

キッチンカーに関わらず、原材料の高騰は飲食店経営において避けられないリスクとなります。

近年、気候変動や国際情勢の影響により、食材価格は高騰の一途を辿っています。

■対策

盛り付けの量を工夫する、仕入れをできるだけ安価な食材に切り替えるといった方法で原価率を下げることができます。

また、出来立てで提供する、家庭ではできない調理を目の前でパフォーマンスする、などの付加価値を売値に反映する方法もあります。

【出店が急に無くなる】

出店場所の都合で急に出店が無くなるというリスクも存在します。

また、イベントの場合は悪天候などでイベント自体が中止になることもあります。

その場合は収入がないだけでなく、仕入れた食材が損失となってしまいます。

■対策

安定して出店できる場所を複数確保しておきましょう。

出店形態としても、通常出店とイベント出店をバランスよくスケジュールに組み込むのが理想的です。

キッチンカーの営業で起こりやすい失敗

できるだけ同じような失敗をしないよう、キッチンカーで起こりやすい失敗について確認しましょう。

【出店場所が確保できない】

好きな場所で営業できると思われがちなキッチンカーですが、出店場所の許可無しでは出店できません。

人気の出店場所やイベントでは実績を重視され、なかなか出店場所を確保できないということも。

■対策

開業後すぐは、探し方がわからず戸惑う方もいらっしゃるかと思います。

現在は、インターネットで出店場所を探す方法が主流となります。開業計画時から出店場所の目星をつけておくと良いでしょう。

【車両に問題があった】

キッチンカー開業時に、最も開業資金をかけて用意するのが車両です。

中古で車両を取得した場合には、車両の状態が悪く、予想外の修理費がかかったり、修理中は営業できず収入が無くなることもあります。

また、法令順守した車両でないと、車検や修理を受けてもらえないこともあります。

■対策

キッチンカー製作会社は必ず2～3社見てから、購入を決めましょう。

【提供スピードが遅く、売上目標を達成できない】

キッチンカーの場合、行列が極端に長くなると機会損失に繋がります。

人気店になれば「並んででも食べたい！」というお客様が増えますが、基本的には他店にお客様を取られてしまう形になると思いましょう。

■対策

キッチンカー内で効率的に作業できるよう、機材の配置や作業スペースの広さを見直しましょう。

また、ある程度の仕込まで済ませておくなど、キッチンカー内の調理手順を簡略化することも効果的です。

『出来立てを提供できる』というキッチンカーの良さは損なわないよう、工夫してみましょう。

【食品ロスが大量に出てしまう】

開業してすぐの場合、どの程度売れるかの予測が難しく、食品ロスを大量に出してしまうことがあります。

売れ残った分の食材費は損失になってしまうので、注意が必要です。

■対策

使用する食材を最小限にするようメニュー構成を考えましょう。

汎用性の高い食材を使用して、一つの食材を様々なメニューに使用するなどの工夫が必要です。

まとめ

今回は、キッチンカー営業に関するリスクや失敗と、その対策について解説しました。

キッチンカーの営業には、天候不順や季節による売上変化や、食材費高騰などのリスクが存在します。

また、作業するキッチン部分だけでなく、車両部分のメンテナンスにも気を配る必要があります。

開業後一年以内の廃業率が高いキッチンカーですが、今回紹介したリスクや失敗例を学び、効果的な対策を練りましょう。

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