キッチンカーでの食中毒に備える!PL保険と食中毒対策の5つのポイントについて詳しく解説!

目次

近年、出店する姿をよく見かけるようになったキッチンカー。

日常の風景だけでなく、イベントの盛り上げ役としても注目を集めています。

お客様に飲食物を提供するキッチンカーでは、飲食店と同様に食中毒に対して対策を行い、衛生管理を徹底する必要があります。

実際に、どのような食中毒が起こり得るのか?

万が一、食中毒が発生してしまった場合の備えた保険はあるのか?

キッチンカーを安全に営業するためにも、食中毒対策は徹底しておきましょう!

今回は、キッチンカーの食中毒に備える方法やPL保険について、詳しく解説していきます。

キッチンカーで気を付けたい!細菌性食中毒とは?

キッチンカーは自由に使える水が少ない環境で調理をすることから、衛生面にはとても注意を払う必要があります。

万が一食中毒を起こしてしまっては、お客様に多大な迷惑をかけるとともに営業面での信頼も失うことになるでしょう。

キッチンカーで起こりやすい食中毒の中でも『細菌』を原因とする食中毒には特に気を付けましょう。

まずは、各細菌性食中毒の原因食品・感染経路・症状・対策について学びます。

【カンピロバクター食中毒】

家畜、家きん類の腸管内に生息するため、食肉(特に鶏肉)、生野菜、飲料水などが原因食品とされています。

食肉(特に鶏肉)や飲料水を汚染することが多いので注意が必要な食中毒です。

カンピロバクター食中毒の特徴・症状・対策について、詳しく見ていきましょう。

[カンピロバクター食中毒の特徴]

鶏肉を加熱不足、あるいは生のまま食べることによって発生することが多い。

乾燥に極めて弱い細菌であり、通常の加熱処理でも死滅する。

[カンピロバクター食中毒の症状]

発熱、倦怠感、頭痛、吐き気、腹痛、下痢、血便など少ない菌量でも発症する。

[カンピロバクター食中毒の対策]

・食肉と他の食品の接触を防ぐ(まな板の使い分けなど)

・食肉は十分な加熱(75℃以上、1分以上)を行う。

・調理器具を熱湯消毒し、よく乾燥させる。

【腸管出血性大腸菌(O157)食中毒】

感染者の糞便に含まれる菌が人の手や食品を介して汚染され、感染するとされています。

腸管出血性大腸菌(O157)食中毒の特徴・症状・対策について、詳しく見ていきましょう。

[腸管出血性大腸菌(O157)食中毒の特徴]

食肉を加熱不足、あるいは生のまま食べることによって発生することが多い。

初夏から初秋に多発するとされているが、気温が低い時期にも発生するため注意が必要です。

[腸管出血性大腸菌(O157)食中毒の症状]

初期症状は下痢・腹痛、その後激しい腹痛、血便、嘔吐などの症状が出る。

[腸管出血性大腸菌(O157)食中毒の対策]

・食肉と他の食品の接触を防ぐ(まな板の使い分けなど)

・食肉は十分な加熱(75℃以上、1分以上)を行う。

・調理器具は洗剤と流水でよく洗う。また、次亜塩素酸ナトリウム剤に漬け込むと効果的です。

【サルモネラ食中毒】

動物の腸管や自然界に広く分布していることから、鶏卵やその加工品、食肉などが原因食品とされ、生肉、鶏卵を汚染することが多いといわれています。

サルモネラ食中毒の特徴・症状・対策について、詳しく見ていきましょう。

[サルモネラ食中毒の特徴]

家畜及び野生生物に生息しており、一般的に卵などの細菌が含まれた食べ物から感染することが多い。

[サルモネラ食中毒の症状]

急性の発熱、腹痛、下痢、吐き気又は嘔吐などの症状が出る。

[サルモネラ食中毒の対策]

・食材を取り扱った後は正しく手指消毒を行う。

・十分な加熱(60℃以上、15分以上)を行う。

・食材は新鮮なものを仕入れ、適切な温度で管理する。

【黄色ブドウ球菌食中毒】

動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近なところに存在する、黄色ブドウ球菌。

エンテロトキシンという毒素が、人体に危害を及ぼすとされています。

黄色ブドウ球菌食中毒の特徴・症状・対策について、詳しく見ていきましょう。

[黄色ブドウ球菌食中毒の特徴]

黄色ブドウ球菌は人間の体にも生息しているため、消毒が十分でない素手で調理した食材を食べることにより発生することが多い。

年間を通して発生しますが、高湿度・高温の条件が揃う7月頃に最も多く発生します。

[黄色ブドウ球菌食中毒の症状]

食後30分から6時間程度で、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が出る。

[黄色ブドウ球菌食中毒の対策]

・手洗い、消毒、手袋の着用を実施する。

・食材は十分な加熱(75℃以上、1分以上)を行う。

・食材を10℃以下の環境(冷蔵庫など)で保管する。

【ウェルシュ菌食中毒】

酸素のないところで増殖、芽胞を作るウェルシュ菌。

芽胞は100℃で数時間加熱しても死滅しないことから、カレー、スープ、シチューなどが原因食品をしてあげられます。

ウェルシュ菌食中毒の特徴・症状・対策について、詳しく見ていきましょう。

[ウェルシュ菌食中毒の特徴]

20℃から50℃でもっとも増殖しやすく、大鍋・大釜で大量に調理し作り置きされた料理から発生することが多い。

加熱調理でも死滅しにくく、嫌気性菌なので酸素がなくても増殖します。

[ウェルシュ菌食中毒の症状]

平均10時間後、腹痛、下痢等の症状が出る。発熱や嘔吐はほとんど見られないことが多い。

[ウェルシュ菌食中毒の対策]

・前日調理を避ける。

・加熱後は速やかに10℃以下に冷却、又は55℃以上で保管する。

・よく混ぜながら調理する。

キッチンカーの食中毒に備えるPL保険

衛生管理をきちんと行っていても、食中毒を引き起こす可能性を0にすることは難しいものです。

キッチンカーで食中毒に備えるには、PL保険(生産物賠償責任保険)への加入が欠かせません。

何も起こらなければいいのでは?と思われがちな保険ですが、キッチンカーが出店するイベントによってはPL保険の加入を必須条件にしていることもあります。

もしもの時に備えて、PL保険について確認しておきましょう。

【PL保険の補償内容】

PL保険とは、正式には『生産物賠償責任保険』といいます。

キッチンカーにおいては、自身が製造・販売した商品が原因でお客様に損害を与えてしまった場合に補償をしてくれる保険です。

PL保険に加入すると一般的に、

・製造物の事故被害者へ支払う損害賠償金

・訴訟になった場合にかかる費用や弁護士への報酬

・事故発生時の応急手当費用や護送費用

などが補償されます。

商品自体の損害や、商品を回収するための費用はPL保険の補償内容に含まれないことが多いので注意しましょう。

また、損害の原因がPL保険に加入する前に発生していた場合も補償は適用されません。

【PL保険が適用される例】

キッチンカーでのPL保険が適用される例では、

・提供した食品が原因で発生した食中毒への医療費

・商品の提供時にお客様の所有物を汚してしまった際の賠償金

などが挙げられます。

食中毒への医療費は大規模になると賠償金額が数千万円に及ぶこともあります。

調理を行う際、キッチンカーの車内は高温多湿になりやすく、食中毒の危険性が高まります。

出店場所によってはPL保険への加入が必須条件になっていることもあるので、必ず加入するようにしましょう。

【施設賠償責任保険も加入すると安心】

施設賠償責任保険は、建物や施設の不備によって生じた損害を補償する保険です。

キッチンカーに設置した看板が外れてお客様にあたりケガをさせてしまったり、営業場所の地面に油汚れを作り清掃業者によるクリーニングが必要になってしまったりした場合などがケースの対象です。

自動車保険やPL保険では補えない範囲の事故が起こることもあるので、加入することでより安全な営業を行うことができます。

ただし、台風などの自然災害が起因の事故では適用外になることもあるので注意が必要です。

PL保険に付帯されていることもあるので、よく確認しましょう。

PL保険への加入方法

キッチンカーの食中毒対策として、PL保険への加入は必須といえるほどに重要なことはお伝えしてきました。

いざ、キッチンカー開業時にPL保険に加入しよう!と思っても、一体どうすればいいのだろう…と途方に暮れてしまう方もいらっしゃいます。

ここでは、キッチンカーでPL保険に加入する方法ついてご紹介していきます。

【保険会社に問い合わせる】

PL保険は各種保険会社が取り扱っているため、保険会社へ問い合わせすることで加入を案内してもらえます。

食中毒や業務上の過失への補償の有無はもちろんですが、飲食店だけでなくキッチンカーにも対応しているかよく確認して加入しましょう。

日本食品衛生協会のあんしんフード君という保険の取り扱いがあります。

【商工会の「ビジネス総合保険制度」を利用する】

商工会で「ビジネス総合保険制度」の案内があります。

「商工会のビジネス総合保険」は、既存制度で補償していたPL、リコールによる賠償責任に加え、施設、業務遂行、管理財物に対する賠償責任もあり、事業リスクを総合的に補償する事が可能です。

【商工会の「ビジネス総合保険制度」のご案内】

様々な形態の保険制度があるので、自分に合った保険を見定めて加入しておきましょう。

キッチンカーでできる食中毒対策5つのポイント!

キッチンカーに限らず、食中毒予防の三原則は

①細菌を付けない

②食べ物に付着した細菌を増やさない

③食べ物や調理器具に付着した細菌をやっつける

と、言われています。

この三原則を踏まえた上で、キッチンカーでできる食中毒対策の5つのポイントについて解説していきます。

【加熱調理を行う】

加熱調理で死滅する細菌が多いので、食材の加熱は十分に行いましょう。

中心温度75℃で1分以上(ノロウイルスの場合は90℃で90秒以上加熱が必要)の加熱が必要になります。

中心温度を測定できる具材がない場合には、調理窯の中心付近の温度を3点以上測定してください。

キッチンカーでの加熱調理について、詳しくは以下の記事でご紹介しています。

【加熱後保管する場合はすぐ冷却する】

食中毒の原因菌が増殖しやすい約20℃~50℃をできるだけ避けるように保管しましょう。

冷却機などを使用して、30分以内に食材の温度を20℃(又は60分以内に中心温度を10℃)まで下げてください。

また、食材を小分けにしたり、清潔な流水で流したりするのも効果的です。

キッチンカーでの作り置きや食品の冷却方法について、詳しくは以下の記事もご覧ください。

【調理器具・調理機材を消毒する】

キッチンカーの中で調理を行う場合、調理器具・調理機材は必ず営業後に洗浄・消毒しましょう。

洗浄の手順は、

①食品残渣(食品由来のゴミ)を取り除き、洗剤で汚れや有機物を洗い落とす。

②十分な流水ですすぐ

③水気を取り、十分に乾燥させる。

が基本となります。

キッチンカーでの調理器具・調理機材の消毒について、詳しくは以下の記事でご紹介しています。

【手指洗浄・消毒を行う】

1人又は2人など少ない人数で調理作業と会計作業を交互に行うキッチンカーでは、手指消毒が重要になります。

食品を汚染しないよう、接客・会計作業後や食品を取り扱う前など、適切なタイミングで手指洗浄・消毒を行いましょう。

また、手洗いや消毒だけでなく、爪を短くすることや、手荒れを起こしているときには手袋を着用することも忘れないようにしましょう。

手袋を使用する場合には、必ずこまめに付け替えて衛生的な状態を保つことも重要です。

キッチンカー営業をするなら絶対に身に付けておきたい、手指消毒については以下の記事もご覧ください。

【適切な容器を選ぶ】

キッチンカーではテイクアウト用容器に入れて提供するため、容器選びも食中毒対策の重要なポイントです。

食品から出る汁気が食中毒菌を増やす原因になる恐れがあるので、仕切りがある容器を選ぶなどの配慮が必要です。

また、生野菜や果物を提供するときは別容器に入れて提供しましょう。

その他、キッチンカーの食中毒対策としての容器選びポイントについて、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

今回は、キッチンカーの食中毒に備える方法やPL保険について、詳しく解説しました。

まずは、キッチンカーで起こり得る食中毒の原因となる細菌ごとの特徴を知ることで、調理方法や調理器具の清掃に役立て、安全なキッチンカー営業が実現できます。

キッチンカーのように特殊な調理環境では、どんなに心掛けていても食中毒等のリスクが隣り合わせになります。

PL保険に加入していれば、不慮の事故等により高額な賠償金を請求された際にも、補償により金銭的な負担が軽減されます。

ご紹介した内容を参考に、ぜひ安心・安全なキッチンカー運営を行っていってください。

業界初!10万円でキッチンカー開業できるフルサポート付きの新プラン↓

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

(台数限定)キッチンカー開業予定者は必見です。

従来とは比較にならない超低投資型キッチンカー開業を実現。

しかもプロによる無料フルサポートで開業前はもちろん開業後の不安も全て解消。

ケータバンクが提供する10万円開業のフルサポートプラン
「実車見学・サービス説明会」を随時開催しています。

▼詳しくはこちらから

※少人数制の為、早めのご予約をお願いします。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

関連記事