【完全ガイド】キッチンカー開業に必要なものとは?開業のメリット・必要な設備を徹底解説!

目次

街中で見かける、オシャレなキッチンカー。

最近ではテレビや雑誌で特集されることも増え、キッチンカーへの注目は高まり続けています。

自分で選んだ場所に移動して営業できるキッチンカーは、その自由さだけでなく開業資金や運転資金を抑えられる点も魅力的に映りますよね。

では、実際にキッチンカー開業をするために必要なものとは何なのでしょうか?

営業許可や食品衛生責任者の資格、キッチンカーの設備や調理機器など、選ぶことや進める準備が山積みで、なかなか一歩が踏み出せないという方も少なくないはず。

この記事では、開業のメリットから、具体的に必要な資格や設備、それぞれの選び方などを完全に網羅してご紹介します。

キッチンカー開業前に悩んだら、まずはこの記事を読みましょう!

今回は、キッチンカー開業に必要なものについて、徹底的に解説していきます。

キッチンカー開業のメリット

キッチンカー開業をお考えの方は、開業すると具体的にどんなメリットがあるかが気になりますよね。

お金の面や営業する環境など、キッチンカー開業にはメリットがたくさんあります!

それぞれについて、詳しく確認していきましょう。

【開業の初期費用を抑えられる】

キッチンカーで開業する大きなメリットは、開業資金の低さです。

固定店舗で開業しようとすると内装費や工事費がかかり、数百~数千万円という開業資金を必要とします。

しかし、キッチンカーでの初期費用は200万円~500万円程度と言われています。

また、キッチンカーの移動販売では、固定の店舗にかかるような家賃が掛かりません。

駐車場代が多少かかりますが、店の家賃ほどの大きな負担ではないので、初めての開業でも安心できるのではないでしょうか。

【場所を移動して営業できる】

キッチンカーならではのメリットは、やはり営業場所を移動できることです。

平日と土日で出店場所を変えられるので、集客がしやすくなります。

イベントに参加すれば大きな集客が期待できますし、出店場所に合わせてメニューを工夫できれば売上アップも見込めます!

事前に人気のキッチンカーを見て、よく学んでおくのも大切なキッチンカー開業準備のひとつです。

以下の記事では、キッチンカーの有名店について、また開業を成功させるポイントも併せて解説しています。

【人件費や維持費を削減できる】

キッチンカーでは限られたスペースで作業するので、一人で営業することも可能です。

食器を下げたり洗ったりする必要もなく、人件費がかかりません。

燃料費はかかりますが、水道代や電気代といった維持費も少なく済ませることができます。

家賃も固定店舗に比べると駐車場代程度で安く済みますので、長期休業してもあまり負担になりません。

維持費が比較的抑えられるので、週末のみの副業としてキッチンカー開業する方も増えてきています。

週末だけの副業としてキッチンカー開業をお考えの方は、メリットや注意点について解説した以下の記事も参考にご覧ください。

キッチンカー開業するために必要なもの

キッチンカー開業をする上で、まず必要なものは「営業許可」「食品衛生責任者」です。

この2つをしっかりと押さえておくため、それぞれについて詳しく解説していきます。

また、キッチンカー開業に欠かせない開業資金や初期費用についても学んでいきましょう。

【営業許可の取得】

キッチンカーが営業するためには、保健所の営業許可を取得する必要があります。

初めてキッチンカー開業する方にとっては、なんだか難しそうに思えるのではないでしょうか?

実は、きちんと取得の流れや必要書類を学んでおけば、難しいものではありません!

ここでは、キッチンカーでの営業許可取得について確認していきましょう。

[営業許可取得の流れ]

キッチンカーで営業許可を取得する流れは、以下の通りです。

① 事前相談

② 申請書類の提出

③ 施設検査の打ち合わせ

④ 施設完成の確認検査

➄ 許可書の交付

⑥ 営業開始

キッチンカーの営業許可取得において、ぜひ気を付けていただきたいのが「①事前相談」です。

先に車両を購入してしまうと、営業許可に必要な設備を後から足さなければならない、といった事態も考えられます。

営業許可取得時の事前相談について、詳しくまとめた記事もぜひ参考にしてみてください。

[営業許可取得申請の必要書類]

申請書類はキッチンカー完成予定日の10日前を目安に提出しましょう。

申請時に必要な書類は以下の通りになります。

・営業許可申請書 1通

・施設の構造及び設備を示す図面 2通

・営業の大要 2通

・許可申請手数料

・食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

[営業許可取得時の注意点]

キッチンカーで水を使用するためには、給水タンクを設置する必要があります。

キッチンカーの飲食店営業にあっては、設置する給水タンク容量に応じて規定された範囲に限られる点に注意しておきましょう。

以下の表のように、給水タンクの大きさごとに、キッチンカー内で行う調理や食器類の取り扱いが定められています。

また、キッチンカーで使用するシンクや給水タンクについて、詳しくは以下の記事も参考にご覧ください。

【食品衛生責任者の取得】

キッチンカーの営業許可を取得するためには、食品衛生責任者の資格が必要であることはご理解いただいているかと思います。

では、具体的に食品衛生責任者はどのように取得するものなのでしょうか?

飲食業の経験がなくても取得可能なので、キッチンカー開業で初めて飲食業に携わる方も安心してくださいね!

また、現在は別の職業に就かれていて忙しい方でも、オンラインで取得が可能になっています。

それでは、食品衛生責任者の取得について詳しく見ていきましょう。

[食品衛生責任者とは]

食品に関わる衛生管理を適切に行うために、食品関係営業を行う施設には食品衛生責任者を設置することが義務付けられています。

キッチンカーで移動販売を行う際にも、一施設につき一名以上の設置が必要です。

食品衛生責任者になるためには、食品衛生責任者養成講習会を受講し、受講修了証を取得する必要があります。

[食品衛生責任者養成講習会について]

食品衛生責任者になれる資格をすでにお持ちの方以外は、自治体が開催している食品衛生責任者養成講習会を受ける必要があります。

講習会とはどのような内容や時間数で行われているのでしょうか。

■受講資格

17歳以上であれば、どなたでも受講できます。(現役高校生の受講はできません)

外国の方でも日本語で「読み・書き・会話」ができ、在留カード又は特別永住者証明書をお持ちの方は受講できます。

住所地・勤務地・従事経験の有無・学歴は問いません。

■受講要領

・時間

午前9時45分から午後4時30分までの6時間(確認試験を含む)です。

なお、昼休みは午後0時45分から午後1時30分の45分間です。

受付は午前9時00分から9時30分までです。

※遅刻はキャンセル扱いとなるので注意してください。

・開催日・開催場所

毎月、都内各所にて8会場~10会場程度開催しています。

講習会開催日程表(東京都)

・申込方法

受講申込書をダウンロードの上、必要事項を記入し申込方法をよく読んで、郵送してください。申込書が協会に到着後、受付順に受付票(開催日時・会場名を記載)を送付します。

また、協会本部、総合事務所及び都内保健所の窓口にも、申込書(往復はがきになったもの)が置いてあります。電話での申込受付は行っておりませんのでご注意ください。

・申込受付

受付は申込書の到着順とし、定員になり次第締め切ります。希望の講習日時・会場は第三希望まで記入してください。

■受講料

費用として、12,000円(教材費含む)を受講当日に納めます。お釣りの用意はないので、お釣りのでないよう持参しましょう。

■講習科目・時間数

・食品衛生学(2.5時間)

・食品衛生法(3時間)

・公衆衛生学(0.5時間)

[忙しい人はオンラインでも取得できる!]

食品衛生責任者養成講習会は日程も限られていることや、約6時間と長時間かかることから受講のタイミングに悩まれる方も多くいらっしゃいます。

お忙しい方にとっては、自宅などで取得できれば嬉しいですよね。

最近では、オンラインで受講できるeラーニングを用いた食品衛生責任者養成講習会が開催されています。

受講時には、インターネット環境(動作環境)を確認しておきましょう。

食品衛生責任者のオンライン講習について、以下の記事でより詳しく解説しています。

【開業資金・初期費用の準備】

キッチンカー開業に必要なものとして、開業資金・初期費用が挙げられます。

初めてキッチンカー開業する方の中には、開業資金としていくらあれば良いのかわからず不安に思われる方も多いでしょう。

また、何にいくらかかるのか、内訳についても詳しく知りたいですよね。

ここでは、キッチンカー開業資金の相場や内訳について、詳しく解説します。

[キッチンカー開業資金の相場]

キッチンカーの開業資金は、およそどれくらいかかるものなのでしょうか?

相場といっても、キッチンカーを購入するのかリースするのかなど、車両の入手方法によっても変わります。

また、入手するキッチンカーのサイズや搭載する設備によって幅が大きいことを理解しておきましょう。

それを踏まえて、キッチンカー開業資金の相場とすると、約250万円~600万円と言われています。

一般的に言われている固定店舗の開業資金と比較すると、コストが抑えられることが多いのが特徴です。

[キッチンカー開業資金の内訳]

■キッチンカー費(入手方法により大きく異なります)

ケータバンクのリースプランなら、初期費用10万円!

■設備・調理機材費

→例として、業務用グリドル(鉄板) 7~10万円で販売されています。

■包装材・容器費

→例として、ランチメニューを提供しやすい大きさのフードパックは500個15,000円~20,000円程度で販売されています。

■販促品費

→チラシやショップカードの相場は、3,000部で20,000円~30,000円とされています。

■保健所の許可取得費

→東京都の場合、食品衛生責任者講習会受講費12,000円と営業許可取得費用18,300円がかかります。

キッチンカーの開業資金の内訳について、より詳しく知りたい方は以下の記事も参考にご覧ください。

[キッチンカー開業時にも融資が使える!]

事業を始めるために自己資金では足りない部分を、融資として金融機関から借りられます。

キッチンカー開業でも、都市銀行、地方銀行、信用金庫といった金融機関からの融資の利用が可能です。

また、国が100%出資している金融機関である日本政策金融金庫では、起業家支援を積極的に行っており、様々な融資制度があります。

個人事業主でも融資を受けられるので、開業資金で融資を受けたい場合には検討してみましょう。

キッチンカーで受ける融資について、詳しくは以下の記事も参考にご覧ください。

キッチンカーの設備として必要なもの

キッチンカー開業の準備を進むにつれて、営業するときに必要な設備について準備を考えていきます。

キッチンカーの設備として、必要なものにはどのようなものがあるでしょうか?

ここでは、

・キッチンカー(移動販売車)の設備

・調理機材の準備

・調理器具の準備

・出店場所整備のための準備

・看板など装飾品の準備

に分けて、それぞれ詳しく解説していきます!

【キッチンカー(移動販売車)の設備】

キッチンカーとして営業するために「保健所の営業許可」が必要であることは、ご理解いただいているかと思います。

保健所での施設検査では、キッチンカーの車両に適切な設備が揃っているかを確認します。

営業許可を取得するために必要なキッチンカーの設備は以下の通りです。

・シンク

→「手洗い用」と「調理器具洗浄用」の2つを設置し、自動式又はレバー式の非接触型蛇口を設置しましょう。

・給排水タンク

→タンクの容量に合わせて、食品及び食器の取り扱いが定められています。

・照明設備

→保健所によっては、何ルクス以上といった基準を設けていることもあります。

・換気扇

→埃や虫の侵入を防ぐためにも、換気扇カバーを付ける等の工夫をしましょう。

・扉付き収納スペース

→こちらも埃や虫の侵入を防ぐために扉付きのものを設置しましょう。

・冷蔵設備

→食材を衛生的に管理するため、冷蔵設備を設置しましょう。

・蓋付きゴミ箱

→水分や臭いが漏れない構造で、清掃しやすいものを設置しましょう。

・電源装置

→発電機やポータブル電源を準備しましょう。

・間仕切り

→バン車などを改造する場合は、保健所の定める基準により、運転席部分とキッチン部分を完全に仕切りましょう。

【調理機材の準備】

キッチンカー内で調理するために、調理機材を設置しましょう。

それぞれの調理機材によって必要な熱源は以下の通りです。

・電力を使用する調理機材→発電機やポータブル電源

・ガス使用する調理機材→LPガス(プロパンガス)

また、キッチンカー内で使用できる調理機材の例としては、以下のものが挙げられます。

・ガスコンロ(ガステーブル)

・フライヤー

・グリドル(鉄板)

・炊飯器

・クレープ焼き器

・たこ焼き器

・おでん鍋

・ピザ窯

それぞれの特徴や選び方について、詳しくは以下の記事で解説しています。

開業資金を抑えるために、中古の調理機材購入を検討する方も多いかと思います。

メリットやデメリット、中古で購入する時の注意点については以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。

【調理器具の準備】

■鍋・フライパン

キッチンカーの開業を進めていくと、車両や調理機材など華やかで目につくものの準備ばかり考えてしまいがちですが、毎日の営業で一番手にするのが調理器具です。

まず、鍋やフライパンは毎日手に持つため、重さや大きさが気になるものです。

メニューによって、素材や形をよく吟味して選ぶのがおすすめです。

キッチンカーで使いやすい鍋・フライパンの選び方は以下の記事を参考にしてください。

■包丁・まな板

また、毎日手にするといえば包丁やまな板ではないでしょうか?

手に合わないものを毎日使えば手首を傷める原因にもなりますし、まな板の素材によっては衛生管理の方法が異なります。

包丁は素材や形によって使いやすさが異なり、まな板は作業スペースに合うかなども重要なチェックポイントです。

キッチンカーで使いやすい包丁・まな板の選び方は以下の記事を参考にしてください。

■ザル・ボウル

最後に、食材を置いたり混ぜ合わせたりするために必要なザルやボウルについても準備が必要です。

キッチンカー内で衛生的に使用できる素材などを学び、使いやすいものを選びましょう。

また、用途に合わせて、形状や大きさを決めるのがおすすめです。

キッチンカーで使いやすいザル・ボウルの選び方は以下の記事を参考にしてください。

【出店場所整備のための準備】

キッチンカーの出店場所の環境は、さまざま。

傾斜があったり、汚してはいけない場所だったり、と、臨機応変に対応しなければなりません。

水準器やタイヤスロープ、養生シートなどを用意しておけば、出店場所の選択肢を狭めることはありません。

その他、出店場所整備のために必要なグッズについて、以下の記事で解説しています。

【看板など装飾品の準備】

キッチンカーの車両に対しての装飾だけでなく、どんなメニューが売られているのかをお客様に伝えるために看板などの装飾品が必要ですよね。

具体的にキッチンカーでよく使われている装飾品の例は以下の通りです。

・のぼり旗

・タペストリー

・A型看板(イーゼル・スタンド看板)

・塗装・ラッピング

・カッティングシート・ステッカー

・プレート看板

開業する前に営業しているキッチンカーを見に行くと、特に目につくのはタペストリーではないでしょうか。

大きいのでお客様の目を惹きやすく、看板メニューを載せているキッチンカーが多いようです。

少し離れた場所からでも「何が売っているのか」がすぐわかるので、集客力アップも期待できますよ!

また、看板についても、手書きでおしゃれな黒板型看板を取り入れたいと考える方も多いようです。

メニュー変更等にも対応しやすいため、ぜひキッチンカーの周りに置いてみてください!

黒板型看板のメリットやおしゃれに仕上げる方法は、以下の記事を参考にご覧ください。

手書き文字がうまくないから…と、黒板型の看板を諦めてしまうのはもったいないかもしれません!

キッチンカーの看板作りのコツは、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

キッチンカーで電気・ガスを使うために必要なもの

固定店舗型の飲食店とは異なり、キッチンカーには電気やガスは通っていません。

キッチンカーの調理設備を使用するためには、電気とガスを準備する必要があります。

キッチンカーでの調理に必要な熱源を確保する主な方法として、

電気→発電機

ガス→LPガス(プロパンガス)

が挙げられます。

詳しい調達方法やおすすめする理由について、解説していきます。

【発電機】

キッチンカーには電気が通っていないため、電源を確保しなければ電気は使えません。

・冷蔵庫(冷凍庫)

・換気扇

・給水排水のポンプ

・照明

・電気調理機器

など、キッチンカーではさまざまな機材に電源を必要としています。

安定した電力を使用できることや、長時間の使用も可能なことから、開業しているキッチンカーの多くは、発電機を使用しています。

[キッチンカーで電気を使うために発電機をおすすめする理由]

キッチンカーでの電力確保を検討する際、ポータブル電源を選択肢に挙げる方もいるのではないでしょうか。

もちろんポータブル電源も使用できるのですが、発電機をおすすめする理由は「電力量」です。

最近ではアウトドア用なども含めて大容量のポータブル電源が増えていますが、キッチンカーの営業時間中に使用するには現実的ではありません。

また、ポータブル電源に使用されているリチウムイオン電池には、気温の変化に弱いといった性質があります。

機種ごとに多少異なりますが、使用推奨温度は16℃から25℃です。

キッチンカーの出店場所は主に屋外ですので、夏や冬には使用推奨温度での使用・管理は難しくなると理解しておきましょう。

[キッチンカーで使う発電機の選び方]

■使用する電気機器から選ぶ

まずは、キッチンカー内で使用したい電気機器の起動電力を確認しましょう。

電気機器を起動する際は、使用中にかかる消費電力の1.1倍~5.0倍の起動電力を必要とします。

営業を開始する際に一気にいくつもの電気機器の電源を入れれば、その分の電力が必要になります。

使用する電気機器の起動電力をカバーできる出力のインバーター発電機を選びましょう。

■使用燃料がガソリンの発電機を選ぶ

使用燃料がガソリンの発電機は、一度の燃料補給で長時間の使用が可能です。

キッチンカーの営業時間はランチ営業でも数時間と長いので、ガソリンのように燃料が安ければ発電コストも抑えられます。

ガソリンは引火しやすいので、コンロなど火気の近くでは保管しないなど安全に考慮して使用しましょう。

その他、キッチンカーで衣装する発電機おすすめ商品3選など、詳しくは以下の記事もご覧ください。

【LPガス(プロパンガス)】

日ごろ自宅や固定店舗型の飲食店では、都市ガスを使っている方も多いのではないでしょうか。

都市ガスの主成分である「メタン」は空気より軽いため液化せず、気体のまま道路に埋められたガス導管を通って運ばれてきています。

キッチンカーでは、この都市ガスを使うためのガス管を繋ぐことはできないため、LPガス(プロパンガス)を使用することになります。

[キッチンカーでの調理にLPガス(プロパンガス)がおすすめの理由]

キッチンカーに搭載する調理機材を選ぶ際、電気式かガス式かで悩むことがあります。

プロパンガスをおすすめする理由は「火力の強さ」です。

同じ機材でも電気式とガス式では火力が大きく異なります。

特に揚げ物の場合、カラッとおいしく揚げたい方はガス式のフライヤーを使いましょう。

また、プロパンガスを使用したガスコンロなら火力が安定しているので、キッチンカーでの調理も安心して行うことができます。

[キッチンカーでLPガス(プロパンガス)を使う方法]

①ガス会社と契約する

キッチンカーでプロパンガスを使うためには、まずガス会社と契約をしましょう。

現在はガスによる事故が起こった場合に備えて、40キロメートル以内の範囲にのみ販売されています。

最寄りのガス会社を探すために「全国LPガス供給加盟店ネットワーク」を使用する方法があります。

全国LPガス供給加盟店ネットワークには、プロパンガスについての法令を遵守し、保安業務を徹底している供給販売店のみ加盟しています。

安心安全にプロパンガスが使えるように取り組んでいる販売店を探したい場合は、全国LPガス供給加盟店ネットワークを使って探してみましょう。

②ガスを充填してもらう

ガス会社との契約ができたら、指定された場所にガスボンベを持ち込んで充填してもらいましょう。

料金は使用した分のみの支払いになるので、中にまだガスが残っていても充填してもらえます。

ガス会社によっては定期購入が可能で、ボンベ内のガスが減ってきたタイミングで配達してくれるところもあります。

ガスボンベには充填期限があり、取り扱いにも注意が必要です。

充填期限やガスボンベの置き場所等について、詳しくは以下の記事も参考にご覧ください。

キッチンカーの車両を調達する方法

キッチンカー開業を考える際、最初に考えるのが「どのように車両を調達するか」だと思います。

車両の調達方法は大きく分けて以下の3つです。

・オーダーメイドで製作する

・中古のキッチンカーを購入する

・レンタル・リースを利用する

それぞれにメリット・デメリットがありますが、開業前にはなかなかそこまで理解できないまま車両を調達してしまうケースが少なくありません。

初めてのキッチンカー開業ではどの方法を選べば良いのか、詳しく解説します。

【オーダーメイドで製作する】

オーダーメイドで製作してもらう場合は、車両部分も新車で製作することが可能なのが特徴です。

ベースとなる車両選びや外装、内装、設備など全て自分で決めることができるので、理想のキッチンカーを作れます。

提供するメニューが決まり、搭載する設備も決まっている場合には、自分に合わせたキッチンカーを製作できるのでおすすめです。

信頼できるキッチンカー製作会社を見つけるために、最低でも3~4社は相談しましょう。

適正価格か、きちんとした車両を製作してくれるか、よく見極めて製作会社を選んでください。

製作費用は多額になるため、その後のキッチンカー運営資金を確保できるかなども含めて、よく計画を立てて購入しましょう。

【中古のキッチンカーを購入する】

キッチンカーを新しく製作するよりも、費用を抑えることができるのが中古キッチンカー。

中古で安く車両を入手できれば他の部分にお金をかけることができるので、何かと費用がかかる開業時には大きなメリットといえます。

保健所の営業許可基準に則った中古キッチンカーを購入すれば、開業までの期間を短縮することもできるでしょう。

ただし、キッチンカーに限らず中古の車両を購入する場合、購入後に故障箇所や不備が見つかることがあります。

見た目が新しく、きれいに見えても、走行距離が何十万kmとあったり、かなり古い年式の車を販売したりすることもあるので注意が必要です。

また、ネット販売では写真だけで購入を判断することもあり『キッチン部分に以前売っていた揚げ物の臭いが残っている』といったケースもあります。

本当に納得できる車の状態か、値段が見合っているのか、よく検討して購入しましょう。

【レンタル・リースを利用する】

初めてキッチンカーを開業する場合はレンタル・リースがおすすめです。

リースはレンタルとは異なり、キッチンカーの使用者名義を変更する為、殆ど購入した場合と同じ扱いで車両を運用することになります。

「いきなり製作・購入するのは勇気がいるから、まずはキッチンカーを借りてみたいな…」という方は、リースのキッチンカーを検討してみましょう。

まず、自分がキッチンカービジネスに向いているか、どの程度売上を確保できるか知りたい方にはおすすめです。

また、リース車両でキッチンカー営業することによって、車内で実際に調理・販売するときに快適な環境をイメージしやすくなるでしょう。

キッチンカー製作は安い買い物ではないので、理想のキッチンカーを手にするためにも一度実際にキッチンカーを使ってみるのはいかがでしょうか。

キッチンカーに必要な3つの保険

キッチンカー開業において、最も重要なのは「安全に営業すること」ですよね。

車両として移動するキッチンカーでは、主に以下の3つのリスクが挙げられます。

・自動車としての事故などへのリスク

・飲食店営業としての食中毒などへのリスク

・営業中に起こるアクシデントへのリスク

何事も起こらないように徹底するのはもちろんですが、万が一に備えて必要な保険の加入を検討しましょう。

【自動車保険】

自動車の利用に伴い発生した事故や破損についての賠償に備える保険です。

例として、交通事故により相手が死傷した場合の賠償金、破損した車の修理費用などがあります。

キッチンカーでも一般の車両と同様に、自動車保険へ加入しましょう。

自動車保険は以下の2種類に分類されます。

■自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、自動車損害賠償保障法によって自動車の所有者に加入が義務付けられています。

加入せずに運行した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金に科され、免許停止処分になります。

他人を死傷させた場合に生じる慰謝料や治療費に対しての補償で、相手の車両や自身のケガへの補償はありません。

■任意保険

自賠責保険で補償されない部分を補うことを目的として加入します。

・対人賠償保険(被害者のケガに対する保険)

・対物賠償保険(被害者の財産に対する保険)

・人身傷害保険(自分や家族、同乗者のケガを補償する保険)

・車両保険(自分の車に対する保険)

などの種類があります。よく検討し、必要に応じて加入しましょう。

【PL保険】

正式には『生産物賠償責任保険』といい、キッチンカーの場合、製造・販売した商品が原因でお客様に損害を与えてしまった場合に発生した補償に備える保険です。

・提供した料理が原因となって食中毒が発生してしまった場合

・提供時にお客様の所有物を汚してしまった場合

などに適用されるため、キッチンカー営業には欠かせない保険です。

出店場所によってはPL保険への加入が必須条件になっていることがあります。

キッチンカーでは高温多湿になりやすく、限られたスペースで作業しているため、思わぬアクシデントも考えられます。

お客様のためだけでなく、キッチンカーでの安全な営業を続けるためにも、加入がおすすめです。

キッチンカーでのPL保険や起こり得る食中毒とその対策について解説した、以下の記事もご覧ください。

【施設賠償責任保険】

建物や場所、所有する施設の不備によって生じた損害に対する補償に備える保険です。

・看板が倒れてお客様にケガをさせてしまった場合

・出店場所の地面に油汚れを作り、清掃業者のクリーニングが必要になった場合

などに適用されるため、キッチンカー営業にはあると安心な保険です。

キッチンカーの営業には、自動車保険やPL保険では補えない範囲の事故のリスクもあります。

加入することで、より安心して営業を行うことができるので、加入がおすすめです。

キッチンカー開業を成功させるための3つのポイント

キッチンカーを開業する方の中には、今の仕事を辞めて開業を考える方も多いのではないでしょうか?

多くの人々が夢見るキッチンカー開業の成功は、決して簡単なものではありません。

気軽にできると思われているキッチンカー開業後には、多くのハードルや課題が存在するのです。

思いきって始めるキッチンカー開業を成功させるために、以下に解説するポイントをしっかり押さえておきましょう!

【キッチンカーで儲かる人気メニューを知る】

自分の出したいメニューでキッチンカー開業できれば良いですが、どのようなメニューが儲かるのかを知っておくのも重要です。

キッチンカーの人気メニューには、固定型の飲食店とは異なる特徴があります。

自分の情熱を追い求めるのは素晴らしいことではありますが、ビジネスの観点から見ると、市場のニーズとのギャップが生まれる可能性もあります。

キッチンカーの出店場所エリアの客層が求めるメニューとは異なる場合、収益が伸び悩むこともあるでしょう。

自分の情熱だけではなく、出店場所ごとのニーズや客層をしっかりと把握し、バランスを取るよう意識してください。

[不動の人気メニューNo.1はクレープ!]

キッチンカーといえばクレープ!といっても過言ではない、大人気メニュー。

定番のイチゴやバナナにクリームを合わせたクレープだけではなく、おかず系やサラダ系などバリエーション豊かなメニュー展開が魅力です。

老若男女問わず好まれますので、イベントには欠かせない存在といえるでしょう。

ご当地食材を取り入れやすいため、開業後間もない段階で小さなマルシェなどで実績を詰みたい場合にはメニュー考案しやすいのも大きなメリットです。

[肉メニューの人気も高い!]

キッチンカーでは、肉メニューの人気が高いと言われています。

大きな販売窓から香る、焼きたて・揚げたてのお肉の香りにつられて来店するお客様も多いはずです。

中でも唐揚げやケバブは手軽で食べやすく、嫌いな人が少ないのでイベントで好まれるでしょう。

また、多くの肉メニューはホットショーケースで作り置きできるため、注文から提供までお待たせせずに済みます。

長い時間作り置きすると乾燥等で味が落ちるため注意が必要ですが、メニュー写真だけでなく実物が見えるため、お客様が買いやすいというメリットもあります。

キッチンカーで使用するホットショーケースの選び方やおすすめ商品3選について、詳しくは以下の記事もご覧ください。

[主食系メニューでランチ出店を狙うのもアリ!]

最近都市部で増えているのが、お昼の時間帯にのみ出店するランチ営業です。

主に、駅前やオフィス街、官公庁周辺が出店場所として挙げられます。

毎週決まった曜日に出店できることが多く、安定した収入を得たい方は確保しておきたい出店場所です。

お弁当や丼といった主食系メニューで、注文から提供までに時間がかからないものを選びましょう。

【出店場所ごとに売り方を工夫する】

キッチンカーの出店場所は、近年増加傾向にあります。

どのメニューで開業するかも重要ですが、キッチンカーの場合は出店場所ごとの需要を探り、売り方を工夫するのも大切なポイントです。

お客様が食べやすい形状や持ち運びやすい容器などまで気を配ることで、満足度アップにも繋がります。

[ランチ出店では、お弁当や丼にする!]

ランチ出店では、お昼ご飯として十分な量のメニューが求められます。

日頃は単品メニューとして提供しているものでも、ご飯と合わせてお弁当や丼にして提供することでランチ出店のチャンスが期待できるでしょう。

焼き鳥や唐揚げといった単品メニューでも、ご飯と合わせれば十分なランチメニューになります。

ミニサラダやお味噌汁とセット販売すれば客単価アップにも繋がるので、出店場所の需要をよく予測して上手に工夫してみましょう。

[イベントでは食べやすさを重視する!]

主に屋外で開催され、座る場所やテーブルが少ないことが多いのがイベント。

お客様がその場で食べることを想定して、食べやすい形状で提供するのが重要です!

例として、

・串に刺す

・カップに入れる

といった方法が挙げられます。

おいしそうな見た目やオシャレに仕上げることもできるので、イベント出店前には試作をして研究しましょう。

[テイクアウト用に容器にも気を配る!]

キッチンカーで購入後、その場で食べるのか、持ち帰って食べるのか、出店場所によってお客様の動きは異なります。

季節によっては数分持ち歩いただけで冷めてしまうこともあり、職場や自宅に持ち帰ってから温め直すこともあるでしょう。

持ち帰るお客様が多い出店場所では、電子レンジ対応のテイクアウト容器がおすすめです。

また、持ち歩く際に中身がこぼれないよう嵌合(かんごう)性の高い蓋をつけるのも重要なポイントです。

容器本体の内側に蓋がパチッとはまる内嵌合の蓋なら、汁気の多いメニューでも持ち歩きやすいのでお客様が持ち物を汚すリスクを軽減できます。

【SNSを活用して集客する】

最近では、SNSを活用して販促活動を行う企業が増えてきています。

キッチンカーでも、SNSは有効な販促ツールなので、積極的に利用していきましょう。

ここでは、具体的にキッチンカー開業においてSNSでの集客が有効な理由と、効果的に集客をするポイントを解説します。

[キッチンカーの集客にSNSが向いている理由]

多くの人が利用しているInstagramやX(旧Twitter)は、無料で利用できます。

有料のビジネスアカウントを提供しているSNSもありますが、開業時はさまざまな出費が多いため、まずは無料から始めてみるのがおすすめです。

数あるSNSの中でも、写真をメインとした投稿ができるInstagramを利用するのがポイント。

出店場所や車両の特徴、おすすめのメニューをわかりやすく視覚で伝えられるので、お客様の興味を惹きやすいといえるでしょう。

[SNSで効果的に集客するためのポイント]

SNSで効果的に集客したい場合は、開業前から毎日投稿するのがポイントです。

開業前から投稿することで、キッチンカーがとしてお店ができあがっていく姿を楽しみにしてくれる方が増えていきます。

また、毎日投稿すれば目に留まる機会が増えるため、多くの方に情報が行き届きやすくなるでしょう。

毎日となると何を投稿すれば良いか悩んでしまうかもしれませんが、出店場所までの行き方や日替わりメニューの紹介などをどんどん発信していきましょう!

まとめ

今回は、キッチンカー開業に必要なものについて、徹底的に解説しました。

開業することで得られるメリットは多く、特に初期投資の少なさや営業場所の自由度の高さ、維持コストの低さが魅力といえます。

営業許可の取得や食品衛生責任者の資格、資金計画の立て方が重要になるので、ご紹介したポイントを参考にしてみてください。

また、キッチンカーの具体的な設備や、必要な調理機器、電気やガスの確保方法、車両の調達方法、必要な保険なども、事前にしっかりと押さえておきたいポイントです。

初めてのキッチンカー開業はわからないことも多く、どこから始めればいいか迷ってしまい、なかなか最初の一歩を踏み出せないこともあります。

ケータバンクではキッチンカー開業者向けの無料説明会も行っているので、キッチンカー開業に不安をお持ちの方はぜひ一度お越しください。

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